埼玉県立大学保健医療福祉学部看護学科
平成22年3月卒業 原由希子さん

梅雨の候、ますます御健勝のこととお慶び申し上げます。この度は、平成21年度「助産師育成支援制度」助成金授与の認定をいただき、誠にありがとうございました。

授与式当日はすでに、国家試験受験資格の要件である10例の分娩を取り上げさせていただいた後でしたが、厳かな授与式に出席させていただき、また志を共にする他の出席者の方々とお話できたことで、改めて気持ちを引き締めると同時に、入学前からの夢であった助産師を目指すことができて本当によかった、と強く感じたことを思い出します。

おかげさまで、去る2月に行われました第93回助産師国家試験、第96回保健師国家試験、第99回看護師国家試験にも合格し、晴れて4月より助産師として、杏林大学医学部付属病院にて社会人生活を始めることができました。

配属はNICU/GCUとなり、現在はNICUにて医療的介入の必要な早産児をはじめとする新生児のケアを学んでいるところです。入職にあたり、第一希望は産科/MF-ICUであり、助産軒数が全国一多く、院内助産所も有する当院で「その人らしいお産」のための援助を学ばせていただけることを楽しみにしておりました。そのため、配属を告げられた当初は正直戸惑いが大きく、不安でいっぱいでした。またNICU/GCUという、学生時代にわずかしか学んでこなかった新生児救急医療の領域で、正常分娩に携わる助産師としてどのような役割が求められるのか、自分が助産師になった意味をどのような場面で見出すことができるのか、手探り状態で新生児と、自分自身と向き合ってきました。

現在、入職して3ケ月が経とうとしておりますが、受け持ち人数が増え、面会にいらっしゃるご両親や祖父母の対応をさせていただく場面も少しずつ増えてきました。まだまだ先輩看護師さんに助けていただくことばかりですが、面会時の対応を褒めていただく場面も出てきました。授乳や沐浴指導はもちろん、さりげなくお母さんの体調を気遣ったり、児への思いを傾聴するよう心がけていることが、ようやく少しずつ良い方向に結びついてきたようで、助産師関連科目で勉強してきたことがやっと活かせる場面を得られたことで、自分自身の気持ちが随分と変わってきたように思います。

助産師である当院周産期センターの看護師長から、面談の際、「看護師と助産師は対象の捉え方が違う、と看護部長(同じく助産師)をはじめ、いろいろな人が言っている。看護師は『児がケアの中心であり、家族は児に付随するもの』として捉えることが多いが、助産師は『児と母親・家族を1つの単位・ケアの対象』として捉えることが多い。つまり、妊娠中から産後の経過(身体的・精神的変化)まで把握している助産師が、一般的な産後の身体的・精神的変化に加え、わが子が予期せぬ入院・治療対象となりさらに不安でいっぱいの母親に関わる意味は大きい」という話を聞きました。1つの“周産期センター”といえどもフロアが分断され、面会時間も限られているNICU/GCUに、出生後ともに過ごす間もなくすぐに入院してしまったわが子を、面会時の母親・家族はどんな思いで見つめているのか。どれだけ想像しても足りないと思いますが、退院後も見通しながら、限られた面会時間の中で少しでも不安を軽減し、親子の愛着形成をお手伝いできるようなスタッフに、また新生児についてもっと勉強して、いつかまたお産や産前産後の育児期に携わることができるようになった時に、目の前の児を-しっかりと見て、“そのお母さんと赤ちゃん”のサポートができるような助産師になっていきたいと思っています。

一人前の助産師になれるまで、まだまだ道のりは長いと思いますが、どうぞこれからもよろしくお願い致します。

平成22年6月末日
原 由希子
埼玉県立大学保健医療福祉学部看護学科平成22年3月卒業
就職先:学校法人杏林学園 杏林大学医学部付属病院
所属:MCU/GCU所属(助産師)